多汗症の治療
わきの下や手のひらにたくさん汗をかく、多汗症という病気は、わきに汗染みができたり、手がべとべととしたりして、本人はすごくストレスになります。根治的には、汗を出す神経を切断する(焼く)手術、内視鏡による神経焼灼術が必用ですが、そこまでしないで治す方法をお探しの方は、ボトックス、ボツリヌスA型毒素注射治療が簡単です。わきの下に何箇所かボツリヌス菌を皮下注射するだけで、汗を出す腺に通じる神経がブロックされてあせが出なくなります。効果持続は半年から1年です。
施術(ボトックス注射前の状態)前の状態。多汗症による発汗がみられます。「いつも汗染みができて困るとの訴えでした」
脂取り紙で汗の状態をチェックしているところ、何にもしていないのに汗をかいて、脂取り紙がぬれているのが解ります。
ボトックスをわきの下の皮膚に注射した跡。皮膚が少し盛りあっがているのが解ります。これで4^5日すると効果が現れ、汗が出なくなります。多汗症治療もこれなら簡単ですね。施術時間は10分です。
多汗症の治療目的で脇にボトックスを注射してから1ヵ月後の状態です。
汗取り紙にもまったく汗がついていませんね。ご本人の話によると、ボトックス注射後1週間後には脇の汗は完全に出なくなったとのことです。
あせ染みで毎日苦労していた頃が嘘のようだとのこと。
結果に大満足しておられます。
多汗症に対するボトックス治療はこのように劇的な効果がありますので、おすめできる治療法です。
多汗症の治療 ボトックスで治す
わきがとは・・・わきが ワキガ 脇の臭い 多汗症 腋臭症 治療 手術
わきがとはわきがの原因はわきの下のアポクリン線という汗を出す腺組織です。
これが人より多いと、そこに細菌がついて、臭いがするようになります。
治療法は何らかの方法で、このアポクリン腺をなくしてやればいいわけです。
一番確実な方法は手術治療です。わきの下をしわに沿って5センチほど切開し、わきの下の皮膚をうすくはがして、アポクリン腺を目で確認しながら、はさみで切り取っていきます。目で見て確認しながら切除しますので、確実にアポクリン腺をなくすことができます。
ただし、皮膚をかなりうすくはがしますので、一時的に皮膚への血流が悪くなります。術後は、ガーゼでわきの下を圧迫して、皮膚に血流が再開するまで安静にする必要があります。
皮膚をうすくはがす手術は技術的にもやや難しく、熟練した医師が行わないと、皮膚が腐ったり、縫い目が開いたりすることがあります。
手術をしないでワキガを治したい方は、脱毛とボトックス注射を使った
治療が簡単でいいでしょう。ただし、効果は手術より劣ります。
軽度のワキガの方ならこの方法で十分ですし。重度のワキガの方でも、完全になくならなくてもある程度治ればよいという方は、まずは手術をしない方法を選択するのもいいでしょう。
わきがの根治手術
わきがを治す方法には何種類かありますが、その中でも最も根治的(完全に治す)な治療法である手術(皮弁法)によるワキガの治療法を、写真付きで解説します。 実際のオペの写真で順を追って説明します。
まずは手術前の状態
消毒したところです。イソジン消毒で茶色くなっていますね。
腋毛の生えてる部分のほぼ中央に5センチほどの切開を入れます
切開部より、はさみを使って皮下を剥離します
腋毛の生えてる範囲の皮下を完全に剥離します。 皮膚の下に指を入れているのがわかりますね。かなり広い範囲を剥離しています。
剥離した皮膚を反転したところです。黄色いつぶつぶが、皮下脂肪とワキガのもとになるアポクリン腺(汗腺)です。 これをはさみで剥ぎ取るように切除します。
アポクリン腺を切除したところです。黄色いつぶつぶがなくなっているのがわかりますね。皮膚は文字通り「皮一枚」の状態で、ぺらぺらな状態です。
皮膚を横から見たところ。かなりうすくなっているのがわかりますね。この工程をしっかりやらないと(しっかり皮膚をうすくしてアポクリン腺を完全に切除しないと)臭いが残ってしまいます。経験がないと結構失敗します。
傷を縫って閉じた状態です。
うすくなった皮膚には血流がありませんので、このままでは皮膚が腐ってしまいます。皮膚の上から圧迫固定して、血流再開をうながします。そのため、剥離した皮膚の周りに糸をかけて
ガーゼで上から圧迫固定します(タイオーバー)。1週間この状態で固定しますと、うすくなった皮膚に血管が再生して、皮膚の血流が再開します。途中で固定がずれますと、うまく血流再開せずに、皮膚が壊死(くさる)可能性があります。この固定が結構大事です。
術後は、固定がずれないように、脇〜肩にかけて弾性包帯で8の字固定します。
これで、1週間がんばりましょう。1週間後に固定をはずして、抜糸すれば
ワキガとさよならできます。
この方法が、最も確実にワキガを治す治療法です。
わきが手術の術後経過
わきが手術の術後経過はどうなるのでしょうか?
興味ありますよね。
固定をはずす7日後から1ヵ月後まで
患者さんの同意を得て写真を撮らせてもらいましたので、ご本人の感想も交えながら解説します。
わきが術後1週間
圧迫固定をはずした直後です。皮膚の状態はいいですね。下手なオペをすると、皮膚の一部が壊死(腐ること)することがあります。固定の糸を抜糸したあとの傷がまだ、かなり赤いですね。中央の黒く見えるところが、切開ー縫合してある部分ですね。
わきが手術10日後
10日すると、傷の赤みも引いて、かなり落ち着いた感じになります。痛みもひいて、日常生活が問題なくできるようになります。お風呂にも入れます。
(本人談:わきが突っ張る感じがしますが、傷の痛みはないです。固定が取れるとすごく楽です)
わきが手術2週間後
2週間すると抜糸できます。傷の痛みはまったくありません。手術前とほぼ変わらない感じになります。腕のはりも取れてきます。(本人談:もうまったく以前と変わりません。手術したことを忘れるくらいです。臭いがうそのようにありません。手術してよかったです)2週間目には効果を時間して、手術してよかったと思うようですね。
わきが手術3週間後
3週間すると、抜糸も完了していますし、わきの臭いもなくなり、傷の痛み、腕の突っ張りも完全になくなります。効果抜群です。(本人談:もっと、早く手術すればよかったです)
わきが手術1ヵ月後
中央やや盛り上がった部分が切開線です。わざと盛り上げて縫ってあります。こうしたほうが後々傷が目立たなくなります。2ヶ月すると盛り上がりが平らになって、傷はまったく目立たなくなります。(本人談:手術したことわ忘れるくらい自然です。わきの臭いがまったく気にならなくなりました。今年の夏は安心です。精神的コンプレックスから開放されました。ありがとうございます。)