フラクショナルレーザーに関して美容外科学会で発表したものを簡単にまとめてみましたので参考にしてください

アファームとはなにか？　　フラクショナルレーザーとはなにか？がわかります

         アファーム（フラクショナルレーザー）の臨床効果の検討                       　

             　　院長　　　利根川均　　　　　　　　                  　

この報告はフラクショナルレーザー　アファームに関して日本で最初に発表されたものです　いまでこそ　フラクショナルレーザー治療はかなりメジャーになりましたが　フラクショナルレーザー治療　アファームが拡がったのは 私がテレビ「たけしの本当は怖い家庭の医学」で紹介してからです 　当初フラクショナルレーザー治療といえばフラクセルが有名でしたが　いまではフラクショナルレーザーと言えばアファームというほどになりました

アファーム（フラクショナルレーザー）治療に関して私がだれよりも早く日本で治療を開始し、初年度症例数はおそらく日本国内では一番多いでしょう。

フラクショナルレーザー　アファームは波長1440nm、パルス幅は3.0msec(3/1000秒）、フルエンス（出力）2.0~8.0J/cm2、　スポットサイズ:10mm、　周波数2Hz（１秒間に2発）のロングパルスYAGレーザーです

フラクショナルレーザー　アファームの特徴はCAPテクノロジーといわれるその先端部キャップにあります

写真を見てください　キャップ先端が網の目状のレンズ構造になっています　トンボの目のような感じです　このレンズ構造により本体より発射されたYAGレーザーは1cm2あたり1200本に分割照射されます

　　　　・　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・

上の写真がCAP構造の拡大写真です　まさにトンボの目のようになっていますね

そして皮膚に照射されると右下の写真のように細かい黒いドット（点状斑）がみられます　皮膚に無数の細かい穴をあけているイメージです

 　　　　・　　　　　・　　　　　　・　　　　　　・　　　　　・　　　　　・　

   　　　　　　　　　　フラクショナルレーザーの比較　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

 アファームの皮膚深達度は、同じくフラクショナルレーザーのフラクセル（波長1550nm)に較べやや浅く、水吸収度がいいため、熱がフラクセルより広範囲に拡がります

　　　　　　・　　　　・　　　　　・　　　　　・　　　　　・

　　　　　フラクショナルレーザーの比較　アファームとフラクセル

水に対する波長吸収曲線をみると1440nmアファームは 、1540nmのフラクセルより２倍〜2,5倍の吸収特性を持つことがわかります

これにより　より少ない出力で施術が可能です　2.0~3.5Jの出力で十分な効果が得られます

アファームは深さ300μまでの皮膚に熱作用を及ぼしますが　これは光（紫外線）により最も皮膚が影響を受ける層です　いわゆる光老化ダメージを受けた皮膚にアファームは効果を及ぼします

アファームはフラクセルに比べ痛みが少なく　麻酔の必要がありません　ブルージェルの必要もありません　眼の周囲も安全に処置できます

 フラクショナルレーザー：アファーム治療の治療前後の写真をお見せします　

すべて私がフラクショナルレーザー：アファームで治療した症例です

　　　　　　症例１　肌荒れ　にきび跡

にきび跡治療前　　　　　　　　　フラクショナルレーザーアファーム治療後

まずは症例１　くすみ　肌荒れ　にきび跡の症例です　フラクショナルレーザー：アファーム治療を５回程行いました　肌質が改善され　白く滑らかな肌になりました

肌そのものを新しい肌と入れ替えてしまう治療がアファームによるフラクショナルレーザー治療です

治療の目安は１か月ごとに５回です

　　　　　　　　　　症例２　肌のざらつき　くすみ　にきびあと

にきび跡・くすみ・肌荒れ治療前　　　　フラクショナルレーザー：アファーム治療後

肌が荒れてがさがさした状態に加え　にきび跡が目立ちます　こういった症状にフラクショナルレーザー：アファームは効果を発揮します　くすみも改善して肌が白くなっていますね

 　　　　　　　　　　症例３　傷痕修正　　肌の凸凹

傷あと・にきび跡治療前　　　　　　　フラクショナルレーザー：アファーム治療後

フラクショナルレーザー：アファームで治療効果が期待できるものにきずあとの修正があります　きずあとの修正は外科的方法が最も有効ですが　ある程度までいきますと　外科的方法では限界が出てきます　傷の幅をせまくして目立ちにくくはできるのですが　それ以上目だなくすることは外科的方法（手術）では無理なのです　これ以上の結果を求める場合は　きずをぼかす治療が必要です　アファームできずあと修正治療が可能です　

上の写真の→の傷跡をご覧ください　　

アファーム治療前・後でかなり傷跡が

目立たなくなっているのがわかります

○で囲んだ部分の皮膚の凸凹もかなり改善されているのがわかりますね

 　　　　　　　　　　　　　症例４　にきびあと　肌の凸凹

にきび跡治療前　　　　　　　　　　　　フラクショナルレーザー：アファーム治療後

にきび跡のお肌の凸凹状態の治療です　このようなニキビ跡は成熟はんこんといって　完全に完成された傷跡なので　治すのは非常に難しいのです　

以前はリサーフェシングといって　顔の皮を薄く削ってしまうレーザー治療が行われていたのですが　施術後の状態があまりにひどく　後遺症（色素沈着）も間々見られたため　いまではリサーフェシングを行うクリニックはほとんどありません

リサーフェシングにかわりフラクショナルレーザー治療がにきび跡治療に有効ではないかと考えられています　上の写真を見てもわかりますように　アファームによるにきびあとの肌の凸凹治療はかなり有効です　ほかに治療法の選択肢がない以上　アファーム治療はにきび跡治療に最も有効な治療と言えるでしょう。

　　　　　　　　　　　症例５　鼻の毛穴の黒ずみ　毛穴の開き

アファーム治療前　　　　　　　　　　　　フラクショナルレーザーアファーム治療後

鼻の毛穴治療はなかなか厄介なものです　フラクショナルレーザーアファームで治療しました　鼻の毛穴の黒ずみはなくなり、毛穴も目立たなくなっています

　　　　　　　　　　症例６　目じりの小じわ

目じり小じわ治療前　　　　　　　　　　フラクショナルレーザー：アファーム治療後

小じわはアファームで治るのでしょうか？　目じりの小じわ治療をフラクショナルレーザー：アファームで行いました。　結果は上の写真の通りです　ちりめんじわが改善しています　小じわ治療にもフラクショナルレーザー：アファームは有効です

　　　　　　　　　症例７　　傷痕（きずあと）修正

アファーム治療前　　　　　　　　　　　フラクショナルレーザー：アファーム治療後

フラクショナルレーザー：アファームによる傷跡修正の症例です　このような線状はんこんは治すのが非常に難しく　治療法はまずないと思っていいのですが　フラクショナルレーザー：アファームで治療してみたところ　わりといい結果が出ました　ほかにも何人か同じような傷痕（きずあと）修正をフラクショナルレーザー：アファームで治療してみましたが　いずれもきずあとはかなり目立たなくなりました　きずあとの修正にフラクショナルレーザーは有効であるといえます

アファーム治療に関する考察（私の見解）です

　フラクショナルレーザー：アファーム施術時の痛みはどの程度か？　副作用はないのか？　施術後の経過は？ 　そもそもアファームって何に効果があるの？　アファームで何が治るの？ 　私の研究結果をお伝えします

 まず　施術時の痛み　施術時の反応ですが　下の写真をご覧ください

頬〜顎にかけて赤くなっているのがわかりますでしょうか

首の色との違いを見てもらえばわかると思います

施術後はこのくらい赤くなりますが　この赤みは当日または翌日までにはなくなります

施術後もすぐさまメイクはできますので　もちろん人には気がつかれません　帰りの電車で人目を気にする必要もありません

ーアファーム施術直後の状態ー　　　

フラクショナルレーザー：アファームの治療イメージは左のイラストのような感じです

皮膚全面にレーザー照射するのではなく細かいドット状のレーザーを分散照射します

1cm2あたり1200本のレーザービームが照射されます

これにより肌を傷めることなく　レーザー照射が可能になりました

これがフラクショナルレーザーの原理です

　　　＝アファームの照射イメージ＝　

この写真はアファーム治療３日後の肌のマイクロスコープ画像です

細かい焦げ跡が肌についているのがわかります

フラクショナルレーザーの効果が実際に確認できる写真です

私が撮った写真です　実際このような形でフラクショナルレーザー：アファームの照射後の状態が確認されたのはこの写真が初めてです　　　　

 　−アファーム治療３日後の肌のマイクロスコープ画像ー

アファームの適応を考えてみましょう

まずは「くすみ」　これはいけそうです　フラクショナルレーザー：アファーム治療で肌は白くなります

次ににきび跡　これはかなり効果が期待できます　ニキビ跡はほかに治療法がないだけに、アファーム治療に効果が期待されます

こじわの改善も効果が期待できます 傷あと治療もいい結果が出ています。そのほか毛穴の改善　色素沈着治療も効果が期待できます

毛孔性苔癬 　妊娠線　肉割れ　も効果が期待されます

 フラクショナルレーザー：アファームによりいままで治療法がなかったいろいろな症状が治療可能となりました　

フラクショナルレーザー：アファームは大いに期待できる新しい治療法なのです

　　　　　　　　　　　　　　　利根川均

 フラクショナルレーザー（ アファーム　フラクセル）　についてまとめてみましょう

１：フラクショナルレーザーにはアファームとフラクセルがある

２：アファームはスタンプ式　フラクセルはローラー式である

３：アファームは麻酔はいらないがフラクセルは麻酔が必要

４：アファームは施術時間１５分　フラクセルはブルージェルを塗るため時間がかかる（約１時間）

５：術後の赤みは１~２日でひくがフラクセルのほうが赤みは強く　赤みの継続も長い

６：赤みがひいた後にややうす黒くなる （目に見えない細かいカ皮が無数にできるため）７日後にはきれいになる（肌が生まれ変わる）

フラクショナルレーザーの概念：フラクショナルレーザーとはレーザーを分散照射する技術である　フラクショナルとは分散・断片的な・部分的なという意味である

フラクショナルレーザーのイメージ：

　　　　　１　　　　　　　　　　　　２　　　　　　　　　　　　　３　　

    ⇒   ⇒

　痛んで老化した皮膚　　　　アファーム照射治療　　　　　　　皮膚の若返り　　

１：にきび跡　老化して凸凹した肌　傷痕　毛穴が気になる肌が対象

２：これにレーザー光線を分散照射（1200本/cm2)　よって1回の処置あたり皮膚の20%が新しいものと置き換わる　

３：これを5回繰り返せば痛んだ皮膚（光老化によるしみ・くすみ・肌荒れ・凸凹・しわ・たるみ）のほとんどは新しい皮膚に置き換わることになる。

つまり　アファーム治療は肌質そのもの改善して　まったく新しい肌を再生させる

それでは最後に　フラクショナルレーザー：アファーム治療の治療前〜治療後の症例写真をお見せします

　　　　　　　　　　　　アファームによる症例１

⇒

　アファーム治療前（光老化皮膚）　　　　アファーム治療後

光老化によって皮膚の張りがなくなり　くすみと肌のざらつき　しわが目立つ肌です

アファーム処置を一月ごとに5回繰り返しましたところ右の写真のように肌が滑らかになって肌のはりがでています　これによって随分と若い印象になりますね

　　　　　　アファーム症例写真２　口の上のしわ

写真：cynosure提供　

アファーム治療前　　　　　　　　　　　　　アファーム治療後

口の上のしわをアファームで治療したものです　口の上の縦じわが目立たなくなっています　　　　

　　　　　　　　　アファーム治療症例写真３　肌の凸凹

⇒

 　アファーム治療前（左頬）　　　　　　　　　アファーム治療後

このような老化して肌のきめがなくなり　ごつごつした感じは　アファーム治療により

滑らかで凹凸のないきめ細かい肌へと生まれ変わります

　　　　　　　　　アファーム治療症例写真４　傷痕の治療

傷あと　アファーム治療前　　　　　　　　　傷痕　アファーム治療後

盛り上がったタイプの傷跡修正にアファームが効果があります　このような傷は手術でもなかなかきれいにおなりません　アファームの継続的治療でしだいに盛り上がりも赤みも減ってきます